移動に関する介護用品の選び方

「動くこと」によって生活範囲が広がり、日常に活気や満足感が生まれ、気分の向上にもつながります。 一方で、自分ひとりでの移動が難しくなると、日常のささいなことにも負担を感じやすくなります。
自ら動く力をできるだけ維持することは、介護において非常に重要であり、介助者の負担軽減につながるとともに、利用者の尊厳や自立心を保つことにもつながります。

 ▶車いす

自走式 —本人の腕力などで走行
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利用者自身が操作するタイプの車いすです。
後輪の外側にあるハンドリムを握り、手でこいで移動します。 一部のモデルではレッグサポート(足を支える部品)を取り外し、足で床を蹴って進むことも可能です。 また、必要に応じて介助者が後方から押して使用することもできます。

介助式 —介助者が後ろから押して走行
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介助者が操作するタイプの車いすで、自力での移動が難しい方に適しています。
後輪が小さく軽量な設計のため、取り回しがしやすく、外出時や持ち運びにも便利です。 コンパクトで折りたたみ可能なものも多く、車への積み込みもしやすいのが特長です。

電動式 —バッテリー(電動)で走行
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バッテリー(電気)の力を用いて動く車椅子です。
様々なタイプが存在しますが、多くのものは手元のレバーを操作することで、前後左右に動かすことができます。 走行スピードは6Km/hまで(成人の早歩き程度)と定められており、運転免許証などの特別な許可は必要ありません。

 ❏車いすの選び方のチェックポイント

☑移乗性  →乗り移りのしやすさ

車いすへの乗り移り、あるいは車いすからの乗り移りによって利用者は自宅や外出先で様々な活動を行うことができます。
利用者の体力や筋力と正しく安全な移乗技術の習得も重要で、専門家の指導も効果的です。

☑操作性  →利用者(または介助者)の意志どおりに操作できるか

駆動輪のサイズや形状、タイヤの種類、ハンドリムの形状や大きさなど様々な仕様の違いによって必要な動作や筋力も異なります。
利用者の体力や筋力、体の状態などに合わせた適切な仕様の選択が重要です。

☑姿勢保持性  →使用時の姿勢に無理が無いか

利用者の快適さ、健康、活動性を向上させる重要な要素です。瘍や皮膚の問題も予防します。

 ❏車いすの寸法の採り方

※利用者本人の体格と移乗能力に合わせた採寸が重要です

 ▶杖・ステッキ

杖やステッキは、あくまでも歩行を補助するためのものです。
杖やステッキに頼りすぎず、足腰の筋力やバランスを維持するために運動やリハビリテーションも併せて行うことが大切です。

T字型
T字型

取っ手が丁字のもの。
幅広く対応するタイプです。
体重がかけやすく安定感があるのが特徴です。

多脚型
多脚型

脚(接地部)が3~4本に分かれているもの。
平坦な場所なら1本脚より安定しますが、平坦でない場所では逆に不安定になる場合もあります。
杖自体が自立するので、杖が倒れることが少なく、杖を拾い上げる動作が少なくなります。

前腕固定型
前腕固定型

取っ手と前腕で支えるもの。
握力の弱い方や、手首や肘に障害がある方に適しています。

松葉杖
松葉杖

取っ手と脇の下で支えるもの。
体重をしっかり支えられることができるため、歩行時のバランスを取りやすく安定しています。
骨折や手術後のリハビリ中などに適しています。通常は2本一組で使用します。

 ▶歩行器

歩行器は、ある程度の自立歩行が可能な方が使用するものです。
利用者の身体能力や使用環境、目的などに合わせて、専門家に相談しながら、適切なものを選びましょう。困ったり迷ったりしたら、まずは専門家に相談してください。

固定型
固定型

フレームが固定されたタイプ。
両手で持ち上げ前方に置き、体を支えて前進します。
歩行器本体が常に地面と接しているため、安定性が高いのが特徴です。また、歩行速度が遅いため、建物内など安全な場所での使用に適しています。
折りたたみ式も多く、持ち運びや収納がしやすいのも特徴です。

交互型
交互型

固定型歩行器と似ていますが、左右のフレームをそれぞれ動かすことができるタイプ。
歩行器本体を持ち上げずに、左右のフレームを交互に前に動かしながら前進します。
固定型歩行器よりも歩行速度が速く、歩行器本体を持ち上げないため、腕の負担が軽減されます。

前輪付型
前輪付型

固定型歩行器の前脚に車輪が付いているタイプ。
歩行器本体を持ち上げないため、腕の負担が軽減されます。また、車輪付きのため、歩行速度が速く、移動がスムーズです。
しかし一方で、前脚が車輪になっているため、安定性がやや低下します。

肘支持型
肘支持型

フレームの上部に肘をつき体を支えながら移動します。
肘をしっかりと支えることができるため、安定性が高く、転倒の危険性が低くなります。
また、肘を置いて使用するため、腕の負担が軽減されます。