指先の力が弱くなってくると、箸で上手に食べ物が掴めなかったり、スプーンで口元に運ぶ途中でこぼしたり…。 ついつい手伝いたくなってしまいます。しかし、食事は自力で、自分のペースでとってこそ楽しいものです。 なるべく介助無しで、楽しくお食事ができるように介護用品を上手に活用しましょう。
そもそも一般的なテーブルの高さは、高齢者にとって高すぎる傾向があります。 ご家族と同じテーブルとイスを利用できれば問題ありませんが、車いすから乗り移る必要がある場合など、本人も家族も大変です。 かと言って、車いすのままでテーブルにつくとなると、一般的なテーブルと車いすとでは、高さが合わない場合が多く、 テーブルの構造によっては、車いすのアームレストにつっかえてしまったりして、適切な位置に座ることができない場合もあります。 また、寝たきりなどでいすやテーブルへの移動が困難な場合は、ベッド用のテーブルを利用することになります。
車いす使用時の食事・読書・軽作業などをサポートする補助テーブル。
アームレスト固定型のほか、フレーム固定型や膝上支持型など、用途に応じた設置方式があります。
ベッドで過ごす時間が長い方に適したサイドテーブル。
ベッドに腰かけた姿勢でも使えます。横から差し込んで必要な位置に天板を引き寄せられる構造です。
健康な人は食事の際に、無意識にスプーンや箸・食器を使えていますが、実際は非常に微妙な力加減が必要な動作です。 そのため、ごく僅かの体の障害でも、なかなか上手に食事ができなくなるものです。 しかし、なるべく自力で食べ物を口の中に入れたい――それが食事の楽しみでもあります。
先の形状や柄の長さ・太さや素材など様々な種類があります。障害の程度にあったものを選んで下さい。
■樹脂製スプーン
→口の力加減がうまくできずに、噛んでしまう場合などに
■柄の形を変形できるタイプ
→普通の持ち方以外に、しっかり握れるように柄の形を変形できる
■先が小さいタイプ
→口が大きく開かない場合や、介助者が食べさせる場合
また、おはしは、スプーン以上に操作が難しい道具です。 そのため、僅かな障害でも上手におはしが使えなくなります。
握りの部分や先の形状などに工夫を施した、多種多様なタイプがあります。
お箸やスプーンは可能であれば実際に売り場等で触ってみるとよいでしょう。
軽量で割れにくい素材を採用したり、滑り止めや持ち手など安定感を高める工夫が施されています。
皿は淵が反っていて食べ物をすくいやすく、お椀は片手でも保持しやすい形状です。
また、吸い飲みは寝た姿勢でもこぼさず飲める設計が特徴です。
これらは握力が低下した方、手や指の可動域が制限されている方、嚥下に不安がある方などに最適です。
ご本人の自立した食事を支えるとともに、介助者の負担軽減や安全性の確保に貢献します。
箸やスプーンで食べ物をうまく掴めなかったり、口元からこぼしてしまうことがあります。
介助者は後片付けが大変ですし、利用者も気を使って食欲を無くしてしまう原因になると大変です。
お食事用エプロンを利用することによって、後片付けも楽になり、余計な気を使わず食事に臨めます。
またお食事の際に、綺麗なエプロンをつけることで、ちょっとした気分転換にもなるでしょう。
素材には、撥水加工したものやタオル地のものなどがあります。
また、食べこぼしを受けとめるポケットがついているものやテーブルを覆うような形状のものもあります。
柄や大きさなどを考慮しながら最適なエプロンを選んでください。
嚥下(えんげ)障害のある場合には、食材を細かくきざんだり、いわゆるミキサー食になります。 しかし、どうしても見た目が良くならないので、その分味付けや盛り付けが大変です。 献立を考え、買い物をし、調理をして、食事、後片付け……と多くの家事の手間も必要で、 さらには、塩分やカロリー量の計算などの配慮も必要になります。
高齢化社会の進展にともなって、市販の介護食も多彩になってきており、それらを上手に利用すれば 上記のような、手間や負担を軽減できるだけでなく、食卓もバラエティに富むものとなるでしょう。
あるいは 宅配サービスを利用するのも一つの選択肢かもしれません。
日本介護食品協議会
日々の食事で不足しがちな栄養を補う「栄養補助食品」や、効率よく水分を摂れる「飲料・ゼリー」も活用しましょう。 少量で高カロリーを摂取できるものや、むせにくい工夫が施されたものなど、喉越しが良く、栄養バランスを整えるのに最適です。
飲み物や食事に適度な粘度をつけることで、飲み込みやすくする食品補助剤です。 水やお茶、汁物などに混ぜると液体がゆっくり流れる状態になり、誤嚥を防ぎやすくなります。 嚥下機能が低下した高齢者や介護が必要な方の食事補助として広く利用されており、味や見た目を大きく変えずに安全な食事環境を整えることができます。