一般に年齢にともなって、夜間の眠りが浅くなる傾向にあると言われ、不眠を訴える原因になります。また、過度の安静から、日中に必要以上の長時間睡眠をとってしまい、夜眠れない原因にもなります。
これらの問題を解決するためには、日中の活動をなるべく活発にし、夜は快適で静かな睡眠環境を整えることが必要です。
介護ベッド
介護ベッドには大きく以下の5つの役割があると言われます。
@快適な睡眠
A介護のしやすさ
B起き上がり動作の補助
C腰掛ける「いす」
D呼吸と嚥下の補助
これらの役割を理解した上で、様々な条件を考慮し、目的に合ったベッドを導入しましょう。
メーカーのショールーム等で、実物をご覧になることをお奨めします。
介護ベッドの選び方の基本チェックポイント
まず、根本的なチェックポイントとしては、一般のベッドを選ぶ時と同じです。
⇒快適な睡眠の姿勢が保持できるか?寝返りがしやすいか?通気性は?設置スペースは?……
■自分で寝返りがうてる、上半身が起こせる、ベットに腰掛けられるなどの場合
- ベッドの高さ=マットレスを敷いた状態でベッドに腰掛けた時、足の裏が床に付く
→高いとベッドから降りるのが不安になる。低すぎると窮屈で不安定な姿勢となる。 - マットレスの硬さ
→硬いほうが起きやすく、腰などへの負担も少ない。安定する。 - ベッドの幅
→寝返りや起きあがりの動作を行うために、ある程度の幅が必要。※
※病院サイズ(幅83cm程度)では狭く、自立的な起きあがりができない可能性があります。
■寝たきりの場合
- ベッドの高さ
→介助者が介助しやすい高さ。介助者の腰のあたりの高さ。 - マットレスの硬さ
→床ずれ防止のため、あまり硬くなく体圧を分散させる機能のあるもの。 - ベッドの幅
→介助しやすい病院サイズ(幅83cm程度)が基本。
利用者が「動作がしやすいベッド」と介助者が「介助しやすいベッド」では、チェックするポイントが大きく異なります。そのため、「ある程度は自立的な動作ができる」場合は、どの動作が自立的にできて、どの動作に介助が必要かを見極めてその人それぞれにポイントを定める必要があります。
シーツ・ベットパット
失禁や嘔吐・食べこぼしなどで、ベッドが汚れるのを予防します。シーツが汚れても簡単に交換ができるので、清潔な環境を保つためにも 利用しましょう。また、ベッドのマットレスの機能を保ったり、床ずれの原因ともなるムレを防止するためにもシーツやベッドパッドの 利用は有効です。
介護シーツ・ベッドパッドの選び方の基本チェックポイント
- 大きさ=ベッドの全面をカバーするものと、部分的にカバーするものがあります。
→全面:全体の発汗を吸湿できる。ヨレ・ズレがおきにくい。部分:交換や洗濯が簡単。 - 素材=衣類との摩擦が少なく、肌触りのよいものを。
→起毛・パイル素材や柔らかすぎる素材は、寝返り動作がしにくい。 - 交換のしやすさ
→簡単に交換できると同時に、ズレやヨレをおこしにくいもの。